■ 「早くしなさい」に隠れたプレッシャー
親としては、「ダラダラせずに取り組んでほしい」という気持ちから出る言葉。
しかし子どもにとっては、「今の自分ではダメなんだ」と責められているように聞こえがちです。
焦りや不安が強くなると、脳は「考える力」を一時的にストップさせてしまいます。
つまり、「早く!」と言われるほど、逆に動けなくなるのです。
■ 「なんでできないの?」が突き刺さる理由
この言葉は、本人も一番感じている“できなさ”を再確認させてしまいます。
「自分はダメだ」「怒られるからやらなきゃ」という気持ちが先に立ち、学ぶ意欲はどんどん下がります。
子どもが求めているのは、“原因探し”ではなく、“どうすればできるか”を一緒に考えてくれる存在です。
■ 「前はできたのに」は比較の言葉
成長を促したい思いから、つい過去の成功と比べてしまう。
でも、子どもにとっては「前の自分より悪くなった」と感じる劣等感の引き金になります。
比較ではなく、今の頑張りを見てもらえると、子どもの心はスッと前を向くのです。
■ やる気を育てる“前向きワード”
では、代わりにどんな言葉をかければよいのでしょうか。
たとえば——
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「昨日よりちょっとできたね」
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「ここまでできたの、すごいね」
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「次はどうしようか、一緒に考えてみよう」
このように“成長の途中”を認める言葉は、子どもに「自分は進んでいる」という実感を与えます。
この実感こそが、やる気を生むエネルギーになります。
■ 親が変われば、子どもも変わる
子どものやる気を育てる第一歩は、「言葉を変えること」
完璧な声かけでなくても構いません。
「責める言葉」ではなく「認める言葉」を少しずつ増やすだけで、親子の空気が変わっていきます。
親が変われば、子どもは自然と安心して挑戦できるようになります。
そしてその積み重ねが、「やればできる」という自信につながっていくのです。
■ 最後に
子どもは、できない自分を責めてほしいわけではありません。
「大丈夫」「少しずつでいい」と支えてくれる言葉を待っています。
今日からぜひ、ひとことを変えてみてください。
それが、子どもの“やる気”を取り戻す一番の近道です。