「勉強しなさい!」
つい、そう言いたくなってしまうときがありますよね。
でも実は、「やる気が出ない」子どもの多くは、サボっているわけでも、根性が足りないわけでもありません。
その裏には、心の中でブレーキを踏んでいる理由があるのです。
今回は、勉強嫌い専門塾で多くの子を見てきた中で感じる、
“やる気が出ない子に共通する3つのサイン”を紹介します。
① 失敗を恐れている
ノートを開く前から「どうせできない」と思ってしまう子がいます。
これは、“失敗したくない気持ち”の裏返し。
完璧主義な子や、昔ミスを注意された経験のある子ほど、
「間違えるくらいならやらない方がマシ」と考えてしまうのです。
大人から見ると「やる気がないように見える」かもしれませんが、
実は自分を守るための防衛反応。
そんなときは、「できなくてもいい」「途中でもOK」という言葉で
“挑戦しても大丈夫”という安心感を伝えることが大切です。
② 比べられるのがつらい
「お兄ちゃんはできたのに」「クラスの〇〇くんはすごいね」
そんな言葉を耳にして、心の中で静かにやる気を失っていく子もいます。
子どもにとって、“比べられる”ことは想像以上に苦しいもの。
どんなに頑張っても上には上がいる世界で、
「どうせ自分は勝てない」と感じてしまうと、
努力する意味を見失ってしまいます。
大切なのは、他人ではなく「過去の自分」と比べること。
昨日より少し丁寧に書けた、前より5分長く集中できた――
そんな小さな成長を認めてもらえるだけで、
子どもは少しずつ自信を取り戻していきます。
③ 成功体験が少ない
「やっても意味がない」と感じている子は、
これまで“うまくいった経験”が少ないことが多いです。
テストで頑張っても点が上がらなかったり、
一生懸命勉強したのに「もっとできるでしょ」と言われたり…。
その繰り返しで、「努力=報われないもの」と思い込んでしまうのです。
そんな子には、小さく成功できる環境を作るのが一番の特効薬です。
いきなり100点を目指すのではなく、
「今日は1ページやれた!」「昨日より早く終わった!」など、
“達成感を味わえるステップ”を一緒に作っていきましょう。
まとめ:やる気は「心の安全」から生まれる
やる気が出ないのは、怠けではなく“心のSOS”のサインです。
叱るよりも、「どうしてやりたくないのかな?」と寄り添うこと。
その一言から、子どもの心は少しずつ動き出します。
「うちの子も、もしかしてこれかも?」
そう感じたら、まずは安心できる環境づくりから始めてみてください。
やる気は、信頼と小さな成功の積み重ねの先に、静かに芽生えていくものです。